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第27章 負けたくない…



クタクタで学校から帰る。

僅か、半日だったのに…。

明日から、あの痛い視線を浴びる事になる学校に行くと考えるだけで胃が痛くなって来る。


「さっさとお昼ご飯を食べなさい。涼ちゃんとジムに行くんでしょ?」


食欲のない私にお母さんが眉を顰めている。


「お母さん…、多分、大丈夫だとは思うけど…、学校から問い合わせがあるかも…。」


今日、起きた事実をお母さんに話す。


「あんたと涼ちゃんも大変ね…。交際するのにいちいち学校から問い合わせが来るとか…、お母さんとお父さんの時には考えもしなかったわよ。」


呆れ顔のお母さん…。


「仕方がないよ。涼ちゃんが有名人になっちゃったんだから…。平凡で何もない私には今の涼ちゃんは不釣り合いなんだよ。」

「なら、平凡をやめて自分がやりたい事を探せば?まだまだ理梨の人生はこれからでしょ?」

「涼ちゃんと涼ちゃんの為になる事ならやりたいとは思うけど…、それって結局は平凡な主婦じゃない?」

「あんたもモデルとかタレントでもやれば?」


151cmしかない私にモデルとか不可能を言うお母さんって人が理解が出来ない。


「タレントとか絶対にやだ。涼ちゃんと2人してラーメンすら食べられない生活はしたくないよ。」

「なら、今回は涼ちゃんに学校に行って貰えば?身の程知らずなんかじゃないとわかれば学校側も落ち着くんじゃないの?」


涼ちゃんが学校なんかに来たら、益々、騒ぎが大きくなるだけだ。


「それだけはお断りします。」

「あれもいや、これもいや…、理梨は涼ちゃんに甘やかされて我儘な子になったわね。」


私の食べ残したご飯を片付けながらお母さんが笑っている。


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