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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り

「……オレはつけないな」
「おれもつけません。いやー、課長とはやっぱり気が合いそうです」
だからなんだというんだ。
否定されているようで不愉快に思いながらもお茶を飲み、パソコンを見ながらキーボードを打つ。
私は喜んでソラ先輩にキスマークをつけられているからこれでいいのに……。
「実は昨日、会社から出た時に風子の彼氏を見たんですよ。課長は見たことあります?」
カタカタッとスムーズに打っていた指の動きが潮崎さんの発言によってまたもや止まる。
「あっ…、ああ……。あるぞ」
「前によくテレビに出てたイケメン医師の大空先生に顔が似てません?見た瞬間、びっくりしてバッグを落としちゃいましたよ」
「そっ、そうか……」
驚いて完全に手を止めてしまった私は開いた口が塞がらないまま、課長とアイコンタクトを試みる。

