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鬼ヶ瀬塚村
第34章 5人のマタギ
果ては猪として息絶えるのか…。

僕としては銀次郎さんという人物が飛鳥になって欲しいと思った。

『真理子さん』

『何よ?』

『銀次郎さんじゃ駄目なの?』

『だから今それを話し合ってるのよッ!』

真理子さんは少し苛立っている様子だった。
当然だ…自分の父親が猪なのだから。

『あんたにはわからないわよ、難しい話なんだからッ!』

『真理子、ぞんな言い方ずでねぇ』

『おじぃちゃんは黙っててよッ!』

真理子さんは鼻の上汗をかきながら怒鳴る。
ファンデーションが少し浮いていた。

『わかったよ…僕、行くよ。弘子さんの部屋へ行きたいんだ』

『お母さんの部屋に?何の用よ?』

『…ちょっと読みたい物があって、貸して貰いたいんだ』

真理子さんは少し考えてからニヤニヤ笑い"いいわよ"と、アッサリ言って再び和紙に目を落とす。

少し疎外感は感じたけれど、聖狩りを知らない僕がここにいたって邪魔なだけだ。

それよりも今は鬼神を知りたい。

『二階の突き当たりよ。ずーっと奥、前一緒に行ったからわかるわよね?』

『うん、ありがとう…大丈夫だよ』

僕は立ち上がり居間のふすまに手をかけた。
一度だけ2人を見下ろす。

僕が弓道でも習っていればよかったな…なんて思った。

僕には及ばない神の力で真理子さんの父親の生死が決められようとしている。

けれど、神こそが自己暗示じゃないのか…?
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