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鬼ヶ瀬塚村
第4章 荒岩一族との初対面

『ノブ、紗江は達弘の嫁ね。愛想悪いけど…ほっといて』
『田中です。紗江さん、お邪魔してます』
『………』
無言で揺れる暖簾の前に立つ紗江さん…身体は小さいのに、なんだか気迫がひしひし伝わってくる。
長くて無造作に脱色された髪を左右で耳にかけ、丸く広い額が印象的だ。
細い眉毛が見事な弓形を作っている。
そして眉根をギュッと寄せ、鋭い目付きで僕をジロジロ見てきた。
まるで観察するような目付きだ。
『ぢゃぐれぇ自分でづげ!』
紗江さんはそうつっけんどんに言い放ってからプイッと調理場へと消えて行ってしまった。
『ね、あんなんなのよ毎度。達弘がいる時はまだマシなんだけどねぇ』
『いや、気にしてないよ。突然知らない人間が家に上がり込んできたら誰だって警戒するもんだよ』
『この家ではそんな漫画に出てくるような他人を毛嫌いする村人連中はいないわよ。赤の他人が上がり込んで、勝手にテレビ見てるからね』
想像して僕は笑った。
『なんだか楽しそうな場所だね』
『そうでもないわよ、退屈でやる事なんて限られてるし…もうッ私お茶淹れてくる!ちょっと待ってて』
真理子さんは立ち上がり、暖簾をくぐって調理場へ消えていった。
『田中です。紗江さん、お邪魔してます』
『………』
無言で揺れる暖簾の前に立つ紗江さん…身体は小さいのに、なんだか気迫がひしひし伝わってくる。
長くて無造作に脱色された髪を左右で耳にかけ、丸く広い額が印象的だ。
細い眉毛が見事な弓形を作っている。
そして眉根をギュッと寄せ、鋭い目付きで僕をジロジロ見てきた。
まるで観察するような目付きだ。
『ぢゃぐれぇ自分でづげ!』
紗江さんはそうつっけんどんに言い放ってからプイッと調理場へと消えて行ってしまった。
『ね、あんなんなのよ毎度。達弘がいる時はまだマシなんだけどねぇ』
『いや、気にしてないよ。突然知らない人間が家に上がり込んできたら誰だって警戒するもんだよ』
『この家ではそんな漫画に出てくるような他人を毛嫌いする村人連中はいないわよ。赤の他人が上がり込んで、勝手にテレビ見てるからね』
想像して僕は笑った。
『なんだか楽しそうな場所だね』
『そうでもないわよ、退屈でやる事なんて限られてるし…もうッ私お茶淹れてくる!ちょっと待ってて』
真理子さんは立ち上がり、暖簾をくぐって調理場へ消えていった。

