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鬼ヶ瀬塚村
第17章 神
『鬼神巫女の舞いと炎で慰めてやるんだよ。まぁ、ほとんどは骨なんだけれどね…ああやって上がる煙が空に向かっていくのがわかるね?あれを空に住まう鬼神様が食ってくれるんだ。そして死者の痛みを知り、鬼神様は泣く…それが、雨だ。そして雨は命を潤す…そして命を、生命を育む。そして死んで行く』

『殺されるという事ですか…?』

『そうは言っていないよ死には様々な形がある。この村では望まれなかった死を弔うんだ…私の兄もこの大地で鬼神巫女であったカヤさんによって鬼神様の元へ行った…私はそれからここへ縛られて暮らしている』

『縛られて…?』

『いい意味でも悪い意味でもね、ここが私の監獄であり、妻に食べられる日が死刑実行日だ』

宗二さんは笑って言った。

僕は暖かな炎を眺めながら震えていた。
寒くなんかない、けれど震えが止まらなかった。

そして何故だか悲しかった。

不意に夜叉の舞いがピタリと止まった。
夜叉が真っ直ぐと僕を見ていた。

炎を背にしたそれは本当に鬼夜叉だった。
ピクリとも動かずに黙ってこちらを見ている。
…まるで置物みたいだ。

"やぁ、真理子さん。ごめんよ…"

僕は夜叉を見つめ続けた。

"どうしてよ…?"

夜叉からそう聞こえた気がした。

瞬きをした。
涙が自然と零れた。
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