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鬼ヶ瀬塚村
第15章 畜生道

真っ暗な竹林を僕は無我夢中で走った。
神様、神様!どうして僕はこんな場所にいるんですか!?
足の裏に石が刺さり、腕や足が笹の葉で切れる。
けれど痛みはなかった。
僕は逃げた。
自身の理解から逸脱した常識を守るこの村から、村人から僕は逃げ出した。
宗二さんが追ってくる気配なんてわからなかったけど、僕は息を切らしながら走り続けた。
見つかれば殺される。
間違いなく僕は殺されるだろう。
どこかからドーン…ドーン…と太鼓囃子の音がする。僕は息を切らしながら空を見上げた。
空が赤い、何かを燃やしているのがわかった。
何を燃やしているのか考えたくもなかった。
考えなくてもわかったからだ。
その独特な焼け焦げる臭いは爪が焼ける臭いに似ていたしサンマを焼いたような臭いにも似ていたからだ。
僕の知らない何かを焼いているんだ。
真理子さんが言っていた…火を放ってみんなで囲って踊るのだと。
僕は再び嘔吐した、けれど走った。涙が止まらなかった。
もう僕の大好きな真理子さんはいない。
大きな口を開けて嬉しそうに僕の隣で人肉を貪り食っていた真理子さん、あなたは一体誰なんだ?
裏切られたような気持ちと、それなのにまだどこかで真理子に会いたい気持ちに板挟みのまま僕は走った。
神様、神様!どうして僕はこんな場所にいるんですか!?
足の裏に石が刺さり、腕や足が笹の葉で切れる。
けれど痛みはなかった。
僕は逃げた。
自身の理解から逸脱した常識を守るこの村から、村人から僕は逃げ出した。
宗二さんが追ってくる気配なんてわからなかったけど、僕は息を切らしながら走り続けた。
見つかれば殺される。
間違いなく僕は殺されるだろう。
どこかからドーン…ドーン…と太鼓囃子の音がする。僕は息を切らしながら空を見上げた。
空が赤い、何かを燃やしているのがわかった。
何を燃やしているのか考えたくもなかった。
考えなくてもわかったからだ。
その独特な焼け焦げる臭いは爪が焼ける臭いに似ていたしサンマを焼いたような臭いにも似ていたからだ。
僕の知らない何かを焼いているんだ。
真理子さんが言っていた…火を放ってみんなで囲って踊るのだと。
僕は再び嘔吐した、けれど走った。涙が止まらなかった。
もう僕の大好きな真理子さんはいない。
大きな口を開けて嬉しそうに僕の隣で人肉を貪り食っていた真理子さん、あなたは一体誰なんだ?
裏切られたような気持ちと、それなのにまだどこかで真理子に会いたい気持ちに板挟みのまま僕は走った。

