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鬼ヶ瀬塚村
第12章 達弘

この村の人達は常識のように突然驚かす事を言う。まるでそれが当たり前のように。
熊や野犬が出る
骨を貰う
典子ちゃんは鬼の仔
ミュージシャンTSUNAが来た
漫画家の徳川マイケル先生が来た
当然のように言った後で、僕が理由を聞いても教えてくれない。
歯痒く、痒い所に手が届かない。
決定的な答えをはぐらかすのだ。それが村人と僕を大きく隔てる。
『行がせでぐれんが?』
達弘さんは申し訳なさそうに言うと、僕の返事も聞かずに立ち上がった。
『ありがどな、せんせッ…バニーぢゃんば大切にずるわ』
達弘さんは背中を向けたまま言い、ふすまを閉じた。
僕は閉じられたふすまを見つめながら、しばらく動けなかった。
僕がその言葉の意味を知れば、僕の知らない所で何かが変わるのかもしれない。
彼は言った。
自分が教えれば殺されると。
じゃあ、どうして今朝宗二さんは"教えてあげます"と言ったのだろう。
宗二さんは特別で、達弘さんとは違うのだろうか?
熊や野犬が出る
骨を貰う
典子ちゃんは鬼の仔
ミュージシャンTSUNAが来た
漫画家の徳川マイケル先生が来た
当然のように言った後で、僕が理由を聞いても教えてくれない。
歯痒く、痒い所に手が届かない。
決定的な答えをはぐらかすのだ。それが村人と僕を大きく隔てる。
『行がせでぐれんが?』
達弘さんは申し訳なさそうに言うと、僕の返事も聞かずに立ち上がった。
『ありがどな、せんせッ…バニーぢゃんば大切にずるわ』
達弘さんは背中を向けたまま言い、ふすまを閉じた。
僕は閉じられたふすまを見つめながら、しばらく動けなかった。
僕がその言葉の意味を知れば、僕の知らない所で何かが変わるのかもしれない。
彼は言った。
自分が教えれば殺されると。
じゃあ、どうして今朝宗二さんは"教えてあげます"と言ったのだろう。
宗二さんは特別で、達弘さんとは違うのだろうか?

