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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り

「それにしても凛々しく美しい若者だこと。私がもう三十年若ければねぇ」
ユンが居なくなった室で、クヒャンは明姫が聞けばまた怒り出しそうなことを独りごちていた。
「でも、おかしいわ」
クヒャンは首を傾げ、よく手入れされ紅色に染められた形の良い爪を見つめる。
「あの若者の相はどう見ても、集賢殿の学者などではない。そう、彼の上には鳳凰が見えたわ。大空を悠々と翼をひろげて飛ぶ鳳凰、それから」
クヒャンはゆっくりと首を振る。
「いずれにせよ、あの男はただ者ではない。先刻の言葉に偽りはなかった。明姫を大切に遇してはくれるだろうけれど、果たして、あの男にめぐり逢ったのが明姫にとって良かったのかどうか」
ユンが居なくなった室で、クヒャンは明姫が聞けばまた怒り出しそうなことを独りごちていた。
「でも、おかしいわ」
クヒャンは首を傾げ、よく手入れされ紅色に染められた形の良い爪を見つめる。
「あの若者の相はどう見ても、集賢殿の学者などではない。そう、彼の上には鳳凰が見えたわ。大空を悠々と翼をひろげて飛ぶ鳳凰、それから」
クヒャンはゆっくりと首を振る。
「いずれにせよ、あの男はただ者ではない。先刻の言葉に偽りはなかった。明姫を大切に遇してはくれるだろうけれど、果たして、あの男にめぐり逢ったのが明姫にとって良かったのかどうか」

