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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り

誰が聞いても、あまり褒められた出自ではない。
「お祖母さま、余計なことを言わないでちょうだい」
ついに堪忍袋の緒が切れた。明姫は立ち上がると、袖から巾着を出した。ユンの前で崔尚宮の名前は出せない。黙っていれば、ここが崔尚宮の実家だとは判らないはずだ。
「これは預かり物です。これを渡してしまえば、もう用はないから、私は帰ります」
どうぞお元気で。消え入るような声で言い、明姫は逃げるように部屋から出た。
明姫が部屋を飛び出し、クヒャンは眼を丸くしていた。
「まあまあ、相変わらずね、あの子は」
ころころと笑うと、ユンを見つめる。
「お祖母さま、余計なことを言わないでちょうだい」
ついに堪忍袋の緒が切れた。明姫は立ち上がると、袖から巾着を出した。ユンの前で崔尚宮の名前は出せない。黙っていれば、ここが崔尚宮の実家だとは判らないはずだ。
「これは預かり物です。これを渡してしまえば、もう用はないから、私は帰ります」
どうぞお元気で。消え入るような声で言い、明姫は逃げるように部屋から出た。
明姫が部屋を飛び出し、クヒャンは眼を丸くしていた。
「まあまあ、相変わらずね、あの子は」
ころころと笑うと、ユンを見つめる。

