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《愛撫の先に…②》
第1章 あたし磨き
『ばっかみたい!
見せつけたつもり?』
相沢は動じないとばかりに腕組みをしながら横を向いた。

『菜々美送って行こう』
片方の手はカバンを持ち、片方の腕は促すようにウエストへ。
そんな結城の行動に訳がわからない菜々美。
『あたしの部屋は…』

菜々美の言い分を遮るかのような彼のささやき。
――『悪いようにはしない』

駐車場を出て国道へと加速するのは菜々美を乗せた結城の車になる。
案の定、遅れてついてくる相沢を乗せた車。

『しつこいな、
菜々美手荒な運転になりそうだからしっかり掴まっていて』

…
……
「菜々美を送って行く」
怪しまれないが為に遠距離ではなくバスで会社に通える範囲内の近場を、
順路を変え当てもなく国道や住宅が建ち並ぶ狭い道も交え尾行から逃げるドライブ。

…
……
1時間後再び国道を走る。『ついて来なくなった…いい加減にしてもらいたいね』
前方に見えたファミレス駐車場へと左折し停める。
「手荒な運転になる、掴まっていて」
とは言われたが結城の運転は酷いものではなく狭い道を右に左に曲がる時に、
体が少し揺れるくらいで酔いはしない。

『すまない…
菜々美のマンションに着いていながら1時間もドライブする事になるとは思わなかった』

『迷いもなく走って知ってる道なのかと…』

『相沢さんの車から毎晩逃げる度に時々通って、
後半はほとんど知らない道でしかない。
スイートタイムにはナビを使って帰ろうか』

『どうして…
どうしてマンションから離れたの?』

『君を守る為だ――…
途中までは見せつけて一緒に部屋に向かってもいいと思っていた。
だけどあの女が君の胸元を掴んだ力はそうとうなもので俺は…あの女からの菜々美への反撃を恐れたからだ』

あたしを守る為?
あたしを…

『君を送って行くという行動を見せ居場所をわからなくさせ俺と菜々美の生活を守る為に…
当分あのマンションには近寄れないのが残念だ』

『スイートタイムへ?』

『確実に君を守れるから――』

『結城さん…』

好き――…
あたしを愛して……

『そんな風に見つめないでくれるかな?
泣きそうでどうしていいかわからないっていうそんな顔』
結城はエンジンをかけるのをやめ体を傾けて運転席から助手席へ身を乗り出し、菜々美へキスをした。
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