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《愛撫の先に…②》
第1章 あたし磨き
『結城さんが啓輔と呼べって言ってたなら呼べばいいじゃない。
7歳年上だと抵抗あるの?』

『ん…
高瀬さんよりも結城さんは何をしても怒らない大人の余裕?みたいな…
あたしが怒ったり泣いたりする事は何でもないような感じ?だと思えて…
だからあたしの甘さに気がついた頃から啓輔さんと呼ぶ事も考えてしまって…』
『菜々美らしくて理解出来たわ、
だけど歳の差は変わらないんだしずっと結城さんって訳にもいかないでしょ』
『ん…』
『菜々美は菜々美でいいんじゃないの?
自分磨きとかは結城さんとつき合っていけば自然と大人になってくわ』
『味噌汁が煮たっても?卵焼きを作ってもらう朝になっても?
あたしがいつか結城さんみたいな落ちついた女になれると?』
『今よりも20くらい歳を重ねたら年相応?
だけど落ちついた菜々美が想像出来ない』
『想像出来ない…』
『菜々美は菜々美よ、
それが良くて結城さんは菜々美を選んだのよ。
午後からの仕事もサッサッと終わらせちゃお』

あたしはあたし?
たしかにこだわっていては7歳の差は変わらない…

話し込み過ぎたとばかりに企画部の部署へと急ぐ2人だった。

…
……
………
18時40分、マンション。
着替えもせずにエプロンをつけ、
先ほど楕円形にした物を焼き始めていた。
焼き色がついた所で裏返すメインおかずはハンバーグ。

独り暮らしだったからか慌てて買った結城用の食器、元々の菜々美用と比べてペアでないチグハグさ。
『ペアで揃えようかな〜…同棲も急だったから』

同棲…
そして同棲でなく結婚?
結城菜々美――…

『啓輔さんって自信持って呼べるあたしはもっと先…けーすけさん…
……わわわ、ハンバーグ焦げちゃう』
分量の水を入れ蓋をし弱火にしため息。

考え事をして慌ててひっくり返すハンバーグ、
いつか落ちついた大人になれるのかなぁ?

…
……
何?
テレビの音?
チャイムが聞こえるけど。また鳴った、
誰か出ないのかしら。

今度は携帯鳴ってるわ、
出ないのかしら。
もー、いい加減に出てあげなきゃ相手の人可哀想じゃない?
携帯えらくリアルであたしの着信音と一緒………
一緒!?

菜々美は目をあけリビングのテーブルに膝をぶつける。
あたし?
寝ちゃってた?
【菜々美?部屋に居ないのか?】
結城さん!
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