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《愛撫の先に…②》
第15章 握る小さな手…
呆気にとられ一瞬相沢への緊張感がきれるような気がしたが1メートル先には高瀬がチラチラと奈々美と相沢をみている姿がみえ気を引き締める奈々美。

その後ろには結城が高瀬の動向を気にしながら奈々美相沢へ一歩踏み出した。

『奈』・『相沢〜』
結城と高瀬が言うのが同時だったとみえお互い一瞬黙り顔を見合わす事もなくまっすぐ奈々美と相沢をみたまま。

『わっ結城啓輔じゃないっ♡素敵ぃ〜、高瀬ぇ映画観るっていうのキャンセルね、あたしぃ結城啓輔がめっちゃ良いのよ、運命っていうかぁ〜…んふふあの時気になる人がいて予言を頼み込んだら忙しくてもその場で少しだけ…彼と恋は成功したけど結局結城啓輔が忘れられなくてあたしから彼をふって今はひとり』
先ほど奈々美に向けた意地悪な顔は上目遣いで今にも投げキッスを送りそうなほどに唇をパクパクさせている。

奈々美はぴったり後ろにつかれた相沢が結城に色目でみてアピールしているのを振り返りみてげんなりした。

あぁなりたくない…
まさか、だからあたしに意地悪をするの?

一歩一歩歩き出すが相沢が奈々美のうなじのあたりの服を掴んだ。
『結城啓輔を観てるんだから少しでも視界に入って邪魔すんな』
乙女とは言えないような言葉使いと意地悪な表情。

『奈…』・『ざけんなよ、人にチケットとらせといて〜キャンセル?』
結城と高瀬が同じように一歩踏み出す。

『わかったわよ、映画観るからさ、それよりあんたが気にいらないってた江崎がヤッて結果残してんだよ、相手知りたくない?』
とりなすよう、誤魔化しているような相沢は身ぶり手ぶり馬鹿にするように奈々美のお腹をバシンバシンと叩いた。

『奈々美っ』・『マジ?ホテル行ったのに結局濡れない奴が誰かとヤッてはらんだって?』
結城が奈々美の名前を言うが高瀬の声とまたしても重なり相沢にはよくわからない。


『あんなに江崎のここを突いてやったのによぉ、なんかわざとらしく結果を見せびらかしてねぇ?』
高瀬は奈々美の前に来てマタニティの裾を掴んで上にあげようとしていた。

『君は以前俺が意見した男だと思うが自分本位で行動すべきではないっ、最低です』
休憩場空間と女性用トイレへ行く通路前でためらっていた結城は2歩前に出て高瀬の手首を掴んだ。

『…痛ってぇな、あんた』
高瀬は手首をさすりながら舌打ち。

相沢は奈々美の肩を後ろから押さえた。
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