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《愛撫の先に…②》
第15章 握る小さな手…
仕事も数日休んでいた為に奈々美はいつものメールや電話であっても気づかってくれる陽子の優しさに感謝していた。

そして会社に電話を入れ課長には悪阻だという事を伝えると高橋から体調が悪いと聞かされていたので薄々そんな気がしていたと言われ安堵した。
前もって言ってくれているという事とてもありがたいと思えるのだ。

✜ ✜ ✜

何回目かの産婦人科への診察も順調でエコー写真にも落花生みたいではなく丸が2つに棒が4つで表されるような小さな小さな物になっていてそれが十月十日には赤ちゃんとして産まれてくるという事が信じられないでいた。

ザワザワザワ、ザーという体内の胎児がいるお腹の音を聞かされてもまだ自分の中に胎児がいるとは信じられない。

『ご主人…まだ違いましたか…けどこうして付き添っているのですからご主人でいいですね…言い換えるのも時間がもったいないですから…』

『いずれ夫になるのですから…聞かせてください』
結城は医師の言う事が聞いてみますか?とわかったのだ。

いずれ夫になる…
啓輔さん…
笑ってる…
旦那さんになる、それでいいの?

ジッと聞いている結城をみて奈々美は嬉しいような恥ずかしいような複雑な顔をしていた。

診察室を出てまたもらったエコー写真をカバンに収めようとすると診察室でもみたのに結城がとって眺めている。

『落花生ではなくなりましたね』
初めてみるものへの興味、そんな表情。

『産まれたらもしかしたらジムも行けなくなるかも…』
結城の体力づくりの為のジム、気分転換のジムの時間を毎日まもっているのを知っている奈々美が気づかう。

『自分の子供ですからね、例えジムに行けない場合には赤ちゃんを背負ってスクワットで体力づくりですよ』

『いいの?』

『何を急に…俺と奈々美の子…どっちに似ているでしょうか…楽しみです』
結城はフフッと笑った。

『啓輔さん…』
2人の子だと誇りに思ってくれている事がとても嬉しいと彼女はブルッと身をふるわせた。
そして奈々美の方から結城の腕に手を絡ませスキップするかのよう。

『妊婦なんですからやめなさい』
結城は奈々美の歩を止める為に絡まる腕に力を入れる。
奈々美が振り向く。

そんな診察日、奈々美の食べれるうどんで昼を済ませドライブ。

『啓輔さんレモンが食べたい』

『レモン?あのレモンですか?』

奈々美は頷いた。
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