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令嬢は元暗殺者に恋をする
第84章 暗殺組織レザン・パリュー
「それとね、こんなことも言ってた。アイザカーンの組織に出向いて生き残った暗殺者の一人が誰かを突き止めるって。炎天はハルがそいつをうっかり殺し損ねたって思い込んでいるみたい。他のみんなはそうじゃないって気づいているけどね。ハルが一人だけを殺し損ねることなんかあり得ないのに。情けをかけたんだよ。ハルは容赦ないようにみえて、そうでないところがあるから。僕、ハルのそういうところが大好き! そして、その相手は女か子ども。アイザカーンの組織には女性の暗殺者もいるけど戦闘向きじゃないから可能性は低いかな。だから、僕の考えだと相手は子ども。さらに、その子は間違いなくハルの側にいる。ハルのことだから、その子を生かしてしまった以上、レザンの組織に追われる可能性が高いと考えて手元に置いて守ろうとすると思うんだ。ていうのが僕の考えだけど、レイはどう思う?」
「おそらく」
クランツの問いかけにレイは静かに眼差しを落とす。
「アイザカーンの暗殺者が子どもであったのなら、その子の命を助けたのはハルと一緒にいたサラという娘でしょう」
ああそうか、とクランツは納得したようにぽんと手を叩く。
「彼女にお願いされて、助けたってことだね」
助けてしまった以上、その子を放っておくことなどハルの性格からしてできない、というのはクランツの言ったとおりであろう。
その子は間違いなくハルの側にいる。
「おそらく」
クランツの問いかけにレイは静かに眼差しを落とす。
「アイザカーンの暗殺者が子どもであったのなら、その子の命を助けたのはハルと一緒にいたサラという娘でしょう」
ああそうか、とクランツは納得したようにぽんと手を叩く。
「彼女にお願いされて、助けたってことだね」
助けてしまった以上、その子を放っておくことなどハルの性格からしてできない、というのはクランツの言ったとおりであろう。
その子は間違いなくハルの側にいる。

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