この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
令嬢は元暗殺者に恋をする
第76章 戦い -2-
「おまえ、か……」
サラは息を止め、たどたどしいアルガリタ語で問いかけてきた暗殺者を見つめ返す。
サラの無言を肯定とその暗殺者たちはとらえたようだ。
「おまえ、だったのか……」
男は複雑な表情を浮かべる。
しかし、雇ったというわけではないことは、先ほどの二人の様子を見れば察することができた。
それに、いくら大貴族の令嬢とはいえ、たかが十五、六の小娘がレザンの暗殺者を雇えるはずがない。
彼らを動かすにはとんでもない金を必要とする。
それも、二つ名を持つ暗殺者なら、なおさら。
二人は依頼者と依頼を受けた者という関係ではない。
おろらく、恋人同士。
由緒ある貴族の令嬢と暗殺者の恋……。
あり得ない。
「おまえ……正気か?」
「……」
「まさか、何も知らないわけではないだろう? レザンの暗殺者を側に置いてこれ以上心強いものはない。そいつなら、どんな危険からもおまえの身を守り抜いてくれる。そう、今夜のようにな! だが……おまえはそれ以上に、この男の背後に存在する強大で恐ろしいものを背負ってしまったことになる。この先、平穏な人生など望めないぞ。わかっているのか?」
サラは息を止め、たどたどしいアルガリタ語で問いかけてきた暗殺者を見つめ返す。
サラの無言を肯定とその暗殺者たちはとらえたようだ。
「おまえ、だったのか……」
男は複雑な表情を浮かべる。
しかし、雇ったというわけではないことは、先ほどの二人の様子を見れば察することができた。
それに、いくら大貴族の令嬢とはいえ、たかが十五、六の小娘がレザンの暗殺者を雇えるはずがない。
彼らを動かすにはとんでもない金を必要とする。
それも、二つ名を持つ暗殺者なら、なおさら。
二人は依頼者と依頼を受けた者という関係ではない。
おろらく、恋人同士。
由緒ある貴族の令嬢と暗殺者の恋……。
あり得ない。
「おまえ……正気か?」
「……」
「まさか、何も知らないわけではないだろう? レザンの暗殺者を側に置いてこれ以上心強いものはない。そいつなら、どんな危険からもおまえの身を守り抜いてくれる。そう、今夜のようにな! だが……おまえはそれ以上に、この男の背後に存在する強大で恐ろしいものを背負ってしまったことになる。この先、平穏な人生など望めないぞ。わかっているのか?」

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


