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第46章 蕩けるキス

じゃあ、どういう意味なんだと問われれば、返答に困るのだが－これ以上、彼にいいようにからかわれたくないので、華夜子も必死だ。
「そうなんだよな…また、興奮させられたからさあ。華夜のせいで」
耳朶に囁かれ、そのついでのように甘噛みされれば、快感を告げる声が溢れる。
「その声で、今日もすげー、大変な事になってる…抑えられるかな」
独り言のように呟かれるが、返せる言葉はない。
口から出るのは、悩ましい吐息。
縋るように、知らず彼を求める、腕。
彼女の手が首筋にかかり、陸は自分を戒める意味でも、わざと辱めるような事を言う。
「誘ってくんなよ。ほんとに我慢出来なくなるだろ」
「誘ってない…陸が…りくが、また」
「一度ならず二度までも止めれんの、俺ぐらいだよ。華夜－」
－ここまで変わった自分自身に、我ながら感心してしまう。
移動した陸の唇が、華夜子の頬を掠める。
「でも三度はない。三度目は…次はどうなるか、分かるだろ、華夜－」
彼が近付く気配がして、華夜子は瞳を閉じた。
身も心も、蕩けるような、キスだった－…。