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蕩けるようなキスをして
第46章 蕩けるキス
「りく…っ」
彼の背中に両手を回し、抱き付いた。
それに応えるように、陸もまた華夜子を抱く手に力が入った。
そして、告げた。
「今日はもう帰ろう-」
-華夜。
最後まで、言えなかった。
言葉を紡いだ陸の唇が、温かで、柔かなものに、塞がれた。
首筋に絡む、手。
自らを引き寄せる、腕。
触れる、彼女の、唇。
昨日とは、違った。
その事実に気付いても、彼女はすぐには離れていかなかった。
二度目の口付けは、一度目よりも、長く、深く。
一度ならず、二度までも。
陸は、彼女に、唇どころか心までもを、攫われた-…。
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