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蕩けるようなキスをして
第46章 蕩けるキス
「りく…?」
恐々と自分を呼ぶ、薄く桃色に塗られた、唇。
華夜子のそれに、陸は自らの唇を、寄せた。
陸の近付く気配に、華夜子は無意識の内に、思わず双眸を閉じようとし-しかし、実際は触れ合う事はなかった。
ちょっと動けば、確実に触れる微妙な位置で、彼は留まっていた。
華夜子は固唾を呑み、成り行きを見守るしかない。
「…華夜は、これから俺とどうしたいと思ってる?」
すぐ近くで問い掛ける、彼の、唇。
「…どうって」
彼の唇から目を離せずに、華夜子は乾いた声で呟く。
「今まで通りなのか…それとも、今までよりも踏み込んだ関係に少しでもなれるのかを、訊いてる」
「…」
「まだ待っていればいいのか。それとももう、待たなくてもいいのか。…昨日の事で、俺達の関係は変わる?勿論、いい意味で」
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