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蕩けるようなキスをして
第41章 ずるい私
『昨日から、私に言いたい事なんか沢山あるだろうに。訊きたい事なんか、山程あるだろうに。私を傷付けないように。私に辛い過去を思い出させないように。そのどれもしないでいてくれてる』

『優しいね、陸-』

本当に、そう、思った。
偽りなく、そう、思った。
だから、言った。
けれど。
言った側から、気付いた。
自分自身で、今しがた口にした、それ。
私、ずるい?
そんな事を言われたら。
そんな風に言われたら。
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