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蕩けるようなキスをして
第38章 告白
あなたとの思い出と言えば、キスだけなのに。
あなたとはもう、思い出しかないのに。
そのあなたとの思い出すら霞んでしまうようなキスを、彼にされたら。
そのキスに囚われしまって。
私が忘れてしまったら。
私があなたを完全に忘れてしまったら。
そう思ったら、急にとてつもなく恐ろしくなって、拒否してしまっていた。
彼とはまだ知り合って半年も経たないのに。
あなたとは比べ物にならないくらい。
私の心の中は、彼との思い出で溢れてる。
あなたとはたったひとつ、キスをした事だけなのに。
そのたったひとつすら、私は消そうとしているの?
再び芽生えた罪悪感に、もう、不可能だった。
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