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蕩けるようなキスをして
第37章 欲しいもの
座らないの?-陸が促すよりも早く、華夜子は部屋の中央、テーブルの下に敷かれたラグの上に、素早く腰を下ろした。
ここに来る途中。
コンビニに寄って購入した昼食が入った袋を、そっと、テーブルの上へ置く。
彼を正面切って見る事が出来ず、グリーンのラグの感触を、なんとはなしに指先で確かめてみたりする。
一度俯いてしまうと、顔を上げるタイミングがなかなか掴めない。
「二度目ともなると、少しは慣れた?」
苦笑混じりの陸の声に、華夜子はようやく顔を上げる。
「初めてここに来た日は、立ち尽くして、俺が声を掛けただけで、すげーびくついてたからさ」
部屋の鍵と、コンビニの袋を、テーブルの上に。
苦笑いを継続させたまま、陸は華夜子の隣りにさり気なく、座った。
机上に置かれていたリモコンで電源を入れれば、真っ暗だったテレビ画面が程なく、お昼の情報番組を映し出す。
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