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蕩けるようなキスをして
第34章 彼の過去
空気が澄み渡り、空が抜けるように青い、秋晴れの下。
大学の中庭のベンチに、陸はひとり、腰掛けていた。
ジーンズを履いたその長い脚をだらしなく投げ出し、スマートフォンの画面を一心不乱に見詰めてる。
左手にスマホを持ち、右手の人差し指で画面を暫くなぞっていたが、やがて大仰に顔を顰め、小さく舌打ちをした。
そして、これまた大袈裟に、溜め息を、ひとつ。
何回やってもクリアできねーじゃん、これ-毒づく。
かれこれ、三十分近くもゲームに興じていた自分に急に気付き、なんだか馬鹿らしくすらなってくる。
充電の無駄-もう止めよう、画面の電源を落とした時。
中庭の入り口から、こちらに向かって歩いて来る人物を認める。
なかなか進展してくれないゲームに、苛ついていた陸だったが、彼女の姿を発見するや否や、一瞬でその顔は明るくなる。
ベンチから急いで立ち上がり、自分の居場所を知らせるが如く、スマホを握ったままの手を掲げた-のだが。
大学の中庭のベンチに、陸はひとり、腰掛けていた。
ジーンズを履いたその長い脚をだらしなく投げ出し、スマートフォンの画面を一心不乱に見詰めてる。
左手にスマホを持ち、右手の人差し指で画面を暫くなぞっていたが、やがて大仰に顔を顰め、小さく舌打ちをした。
そして、これまた大袈裟に、溜め息を、ひとつ。
何回やってもクリアできねーじゃん、これ-毒づく。
かれこれ、三十分近くもゲームに興じていた自分に急に気付き、なんだか馬鹿らしくすらなってくる。
充電の無駄-もう止めよう、画面の電源を落とした時。
中庭の入り口から、こちらに向かって歩いて来る人物を認める。
なかなか進展してくれないゲームに、苛ついていた陸だったが、彼女の姿を発見するや否や、一瞬でその顔は明るくなる。
ベンチから急いで立ち上がり、自分の居場所を知らせるが如く、スマホを握ったままの手を掲げた-のだが。

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