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蕩けるようなキスをして
第31章 恋バナ
「夏休み明け早々、カフェテリアで、櫻葉陸とすげーいちゃついてた女がいるらしいよ」
留以には今までの経緯をきちんと説明しないといけない-講義終了後、大学構内の外れにあるベンチにふたりで並んで座っていた。
このまま適当にはぐらかす訳にもいかず-ってか、誤魔化す事など出来ないような感じとなり、ちゃんと話さないでは帰れないと思ってた。
留以は、大事な親友だ。
その彼女に今まで何も伝えずにきてしまっていた-悪かったと思っているから、尚更。
さあ、どこからどう話せばいいのか-思い悩んでいたところに、背後からふたりして肩を叩かれた。
そして。
冒頭の、台詞。
「なんかいつも櫻葉陸を取り囲んでた派手なのとは全然違う、新しい女だったらしいよ」
乃愛がにやにやしながら、後ろから回り込み、ふたりの間に割り込んで座った。
彼女お気に入りの香水が、座った瞬間、身体から漂ってくる。
如何にも女-そんな香りに、思わず、酔わされる。
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