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蕩けるようなキスをして
第29章 嫉妬
その時は、ただ、助かった-それしか、思わなかったけど。
言われてみれば、まだ九時を少し過ぎた頃だった-。
どちらからともなく。
「…お互い、張り切り過ぎてて、笑っちゃうね」
いっぽん。
「…当たり前だ」
にほん。
「当たり前…?」
さんぼん。
「華夜と一週間振りに逢えるんだから」
よんほん。
「俺と一週間振りのデートなんだから」
ごほん。
「滅茶苦茶、張り切ってるに決まってる」
ふたりの、指が。
ようやく、全て、絡み合った-…。




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