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蕩けるようなキスをして
第27章 約束
「顔で選んだわけじゃないけれど。でも、好きな女が可愛いって言われたら、やっぱ嬉しいじゃん?道行く男が見惚れるくらいの女だったら、やっぱ鼻高くなるじゃん?俺ってすげー女見る目あるんだなって、最高の気分になって当然だ」
ホームに並んで電車の到着を待つ陸の表情が、柔らかになる。
釘付けになって見詰めていると、彼の口唇が、彼女を呼んだ。
「え、えっ、な、何?」
思わず、焦ってしまう。
怯んでいると、顔をこちら側に向けられた。
その両眼は逡巡するように、数度泳ぐ。
「陸…?」
「…あのさ」
やがて、意を決した彼は、話を切り出す。
「その…今度からはさ、メールじゃなくて、ラインを送ってもいい?」
今日で終わりじゃない。
今度でもなく。
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