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蕩けるようなキスをして
第27章 約束
「聞きたくない事、訊いてしまった。忘れて」
「…」
「ほら、駅に着いた-」
陸の言葉通り。
タイミング良く、駅に到着した。
手を繋いだまま、改札に向かう。
ふたりが乗る電車は路線が違った。
送ってあげる事は出来ないけれど-陸は当然のように、華夜子の乗る電車が到着する予定のホームへと向かう。
「せめて、見送らせてよ、華夜」
そう言われ、断る理由もない。
華夜子は小さく頷き、彼に手を引かれ、階段を下る。
ゆっくりと。
そして。
時折、何気なさを装い、彼の瞳に足元を確かめるように見られる。
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