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第27章 約束

恥なんか、随分掻きまくりだけど。
でも、やっぱり。
出来るなら、好きな女の前では少しでも格好いい男でいたいから。
かっこつけていたいから。
だから。
次の約束なんてないのに。
然（さ）も約束なんかとっくにしていたかのように。
約束なんかしなくても次のある関係のように。
話を続ける訳には、いかない－。
彼女に何かを思われるよりも先に、素早く話題を切り替える。
「華夜子は、色々と気を遣って、多分そうでもなかっただろうけど。…なのに、楽しかっただなんて。本当は、言っちゃいけないのかもしれないけれど」
複雑な笑みで、陸は彼女を見た。
「でも、やっぱり、楽しかったから。ほんとに、凄く。…華夜子の事も、楽しませてやりたかった。俺と、同じくらいに」