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蕩けるようなキスをして
第26章 彼の隣り
有名なパンケーキのお店で少し遅い昼食を済ませば、もう三時近かった。
本来なら、じゃあこの辺で休憩しようかと、お茶でもする時間帯。
突然決まった、突然のデートだったから、なんの計画もないまま始まっており、それは致し方ない部分でもあった。
どこかに行けなくもないけど、微妙な時間帯。
結局。
ほんとにありきたりだけど、正に彼女を誘った時の彼の言葉通り、その辺をぶらぶらする事になった。
ランチを食べた店から暫く歩くと、やがてファッションビルが見えてくる。
とりあえず、そこにふたりして、足を踏み入れた。
若者向けの最新の人気のブランドが集まる、大きなビル。
華夜子も中学生辺りからたまに利用している-どのフロアにどのショップが入っているか熟知している、お馴染みの場所。
お洒落な彼なら尚の事-思ったけど、一応、訊いてみる。
「陸も、ここによく来る?」
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