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第25章 デート

「…大袈裟だよ」
泣き笑いのような顔になってしまう。
大袈裟なんかじゃない－至極真面目に、陸は否定する。
「華夜子が作ってくれた卵焼きは、それだけで百倍は美味しくて。それがいつも食べさせてもらっていたから、更に百倍美味さが増していて。ただの普通の卵焼きよりも、なんですげー華夜子の卵焼きは美味しいのか。その謎が、今やっと、解けた」
「…謎って、だから、大袈裟」
気付かれぬよう、目尻を拭いながら、華夜子は笑った。
ねえ、華夜子－そんな彼女を優しく眺めながら、陸はねだった。
「また今度、卵焼き作って来てよ。そしてまた、俺に食べさせて。華夜が作った美味い卵焼き、俺に最高に美味しく、また食べさせて－」