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蕩けるようなキスをして
第25章 デート
陸は戸惑いを隠せなかったが、やがて、嬉しさに目を細めた。
彼女が何故、急に心変わりしたのかは分からないけれど。
でも、くれるのなら。
くれると言うのなら。
欲しい。
だって、本当は、とっても、欲しかった。
欲しいに決まってる-。
「ちょーだい、華夜子」
大袈裟過ぎるくらいに大きく口を開いて、陸は華夜子を誘(いざな)う。
その薄い唇を赤い舌先で一舐めするその仕草は-最高に、魅力的だった。
誰であろうとも、きっと、囚われてしまう。
口を開いたまま、陸は身を乗り出す。
フォークを手に、華夜子もまた、心持ち、身体を前に出す。
両隣りの席から、決して小さくはない、悲鳴が上がった。
陸は笑って、料理を口に含んだ。
華夜子は、羞恥に俯いてしまう。
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