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蕩けるようなキスをして
第25章 デート
「パンケーキって、甘くない物もあるんだって、今日初めて知った」
満席の店内。
ざわめきの中。
目の前の大きな皿の上を眺め、陸は改めて、感心したように言った。
「…食べれそう?」
真向いに座る華夜子は、緊張の面持ちで彼を見た。
結局繋いだ手は離してもらえないままだったので、食事系の甘くないのも実はあるのだと、華夜子は話して聞かせるしかなかった。
可能なら、メニューの写真を見てもらえれば、一番良かったのだけれども。
ともかく。
その話に半信半疑ながらも、それならと、彼は了承してくれ-今、ふたり、ここにこうしている。
「思ったより甘くないし、意外に普通に美味しい」
華夜子の心配をよそに、陸はフォークとナイフで器用に切ったふた切れ目を口に運んだ。
「…ほんと?無理してない?」
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