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蕩けるようなキスをして
第19章 一カ月ぶりの
だから余計に、内外の気温差に、あっと言う間に参ってしまう。
対する華夜子は、大学までの道のりを徒歩で到着してすぐと言う事もあり、身体はまだ暑さを忘れてはおらず、彼に比べれば全然平気だった。
天を仰ぐ、彼の高い背中を、黙って見詰める。
華夜子の視線を、背後からひしひしと感じとった陸は意を決し、彼女に向き合った。
「華夜子に逢うのは、少なくとも、もう一カ月は先だと思ってた」
込み上げる喜びを抑えながら、陸は笑った。
初めから分かってた。
休みの間は、逢えない。
だから、夏休みが明けた、もう一カ月後。
彼女に逢えるとしたら、まだひと月もある-そう、思ってた。
逢ってくれるんだろうか-メールの返事ひとつ貰えないままなのに。
休みが終わったら、もう、話す事さえままならないのかもしれない。
そう、覚悟していたのに。
なのに。
だから。
「すげー嬉しい」
例え彼女は違ったとしても。
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