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蕩けるようなキスをして
第70章 覚悟と約束
そして。
高階先生は、今日何度目かの『ごめんね』を呟いた。
「…自分の立場は重々弁(わきま)えているつもりだ…今となっては、だったが相応しいけど」
「…」
「僕はこの大学の職員で。御堂さんはこの大学の学生で。ふたりの関係は、それ以上には絶対なってはならない。…例え、御堂さんから何を言われようとも、僕は決して御堂さんに何も答えてはいけないし、何もしてはいけない。…先生と教え子の関係が崩れた時は、きっとふたりとも傷付くだけじゃ済まない」
-だから、忘れようとした。
先生は、僅かに笑いを漏らしたようだった。
「御堂さんの言葉も。思わず御堂さんを抱き締めてしまった事も。僕はともかく、御堂さんを傷付けたくなかった。だから忘れて、なかった事にしようと。…だけど」
高階先生の溜め息が聞こえた。
「忘れるどころか、なかった事にするどころか。禁忌を自分から軽々と破って、御堂さんを-」
言って、先生は沈黙してしまった。
高階先生は、今日何度目かの『ごめんね』を呟いた。
「…自分の立場は重々弁(わきま)えているつもりだ…今となっては、だったが相応しいけど」
「…」
「僕はこの大学の職員で。御堂さんはこの大学の学生で。ふたりの関係は、それ以上には絶対なってはならない。…例え、御堂さんから何を言われようとも、僕は決して御堂さんに何も答えてはいけないし、何もしてはいけない。…先生と教え子の関係が崩れた時は、きっとふたりとも傷付くだけじゃ済まない」
-だから、忘れようとした。
先生は、僅かに笑いを漏らしたようだった。
「御堂さんの言葉も。思わず御堂さんを抱き締めてしまった事も。僕はともかく、御堂さんを傷付けたくなかった。だから忘れて、なかった事にしようと。…だけど」
高階先生の溜め息が聞こえた。
「忘れるどころか、なかった事にするどころか。禁忌を自分から軽々と破って、御堂さんを-」
言って、先生は沈黙してしまった。

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