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蕩けるようなキスをして
第70章 覚悟と約束
初めてのキスは、それは突然に。
それは、掠めるように。
え?-思ったら。
あっと言う間に離れて行った。
最初から最後まであまりに呆気なく。
感動も。
ときめきも。
全てが無縁だった。
離れた唇の感触をどうにか思い出そうとしていると、申し訳なさそうな声がした。
「驚かせちゃったね。ごめん」
唇だけでなく、私に触れる両手も離し。
高階先生は微かに笑った。
「…いえ」
私は小さく首を振る。
それ以上どう言えばいいのか-本当に分からなかった。