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蕩けるようなキスをして
第13章 送信
ひとり置き去りにされた華夜子は、ついさっきまで彼が腰を下ろしていた場所に、静かに座った。
結局。
ここに何しに来たんだっけ?
彼に会いに来た。
それから?
それだけ?
会って、それから、何をしたかったのだろう。
会って、それから、何かをしたかったの。
自分の気持ちなのに、最近、分からない。
好きとか、そういうのじゃないのだけは、分かる。
だって私には、あなたがいるから。
だって私は、まだ、あなたが好きだから。
ベンチの上に置いた鞄の中から、スマートフォンを取り出す。
ロックを解除し、指をスクロールさせ、やがて、その手は止まる。
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