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第69章 求める夜

「おく…当たって…っ」
「当たって？」
「きもち…いい…」
熱い吐息を漏らす口唇は、陸が奪った。
キスと愛を同時に交わす。
陸に同調するように、華夜子の腰も無意識の内に揺れ始める。
遠慮がちな動きはやがて、なんの躊躇もなく大きなものとなる。
互いの腰を打ち付け合う音。
結合部分の淫らなそれ。
求め合うふたりの荒い呼吸。
抱き合うふたりの腕と腕。
銀糸を引く、ふたりの唇と唇－。
ふたりは見詰め合い。
透明な唾液の橋が途切れる間際。
名残惜しそうにもう一度、お互いの唇を吸った。