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蕩けるようなキスをして
第69章 求める夜
華夜子が心地良さに思わず瞳を閉じようとすれば、不意に身体は繋がったまま、抱き起こされた。
気付いた時には、座った陸の上を跨ぐように座らされていた。
その密着の度合いに、華夜子はもの凄く恥ずかしくなって、急いで視線を逸らす。
恥じ入っていると、陸が顔を覗き込んできた。
「どうしたの?」
「…だって。恥ずかしい」
顔を赤らめる華夜子がおかしくて、陸は喉を鳴らした。
「何を今更」
「…だって。こんなに近くにいられると」
「いつもいるじゃん」
横顔のままの華夜子の頬に手を添え、正面を向かせると陸は彼女に口付けた。
からかいも、意地悪も一切ない、優しいキスだった。
その接吻にようやく安堵した華夜子は、口付けを交わしながら、陸と互いに抱き締め合う。
甘美なキスを幾度か繰り返した後(のち)。
緩やかに腰の動きを再開され、華夜子は甘やかな声を、上げた。
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