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蕩けるようなキスをして
第69章 求める夜
「俺が思ってた以上に幸せな夜だったよ。そんな気持ちに、華夜は俺をさせてくれた。なんにもしてないなんて言うなよ。十分過ぎるくらいの事、お前はいつも俺にしてくれてるんだよ」
「…うん」
そんな気持ちにいつもさせてくれる。
それは彼だって同じだった。
「泣くなよ、馬鹿」
涙が滲んだ華夜子のまなじりを陸は素早く発見し、乱暴に拭った。
「だって。陸がいつもいつも私の事、喜ばせてくれるから。だから私、嬉しくて-」
言った唇は、陸が激しく塞いだ。
「嬉しい?」
「嬉しいよ?決まって…あん…っ」
荒々しいキスは続行される。
「そのくらいの事で、いちいち泣くなよ。これからもっと、嬉しがる事をされるのに?」
「りく…?」
彼の言ってる事が理解出来ず、訊き返そうとした華夜子の顔が驚き-そして、細い眉が歪んだ。
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