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第69章 求める夜

もう、どれだけ淫らだと。
もう、どれだけはしたない女だと嗤われても－構いはしなかった。
欲に素直になった彼女の卑猥な腰つきに、陸は目を奪われ。
残り僅かの理性も攫われた。
彼は彼女を激しく、どこまでも、追い詰めてゆき。
やがて華夜子を絶頂に導いた。
乱れた荒々しい呼吸をどうにか整えながら。
華夜子は一気に高められた体の昂りを、なんとか鎮めようとする。
迎えた快楽の極みに、心も身体も異様に興奮していた。
今までだって、もう十分な心地良さを与えられていたはずだった。
なのにそれを難なく飛び越えた快感の頂に、激しく悦ぶ自分の身体。
こんな気持ちの良さが、まだ残されていただなんて。
素直な驚きと共に、いとも簡単に自分を意のまま操ってみせる彼を、華夜子は多少の恐れを含んだそれで見遣った。
この彼はいつもの彼なのだろうか？
いつもの優しい彼に間違いはない？