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第69章 求める夜

しどろもどろの華夜子を、陸は一蹴した。
「かもじゃなくて、そうなんだよ」
言って陸は、華夜子の両脚の中心へ顔を近付けた。
華夜子は弾かれたように、大急ぎで身体を起こす。
「なに、どうしたの？」
陸は苦笑する。
本当はわざわざ尋ねるまでもなく。
彼女が何故こんなにも大慌てで、ベッドの上に半身を起こしたのかは勿論、知っていた。
そんな自分を、意地が悪いなあと思いつつ、敢えて素知らぬ振りをしたのだ。
「な、な、な、なにって…！？」
真っ赤な顔で、激しくどもる彼女が最高に－可愛かった。
彼女の想像通りの事を、正にしようとしていた陸だったが。
現在のこの流れだと、ひょっとして泣かせる事にもなり兼ねない－そう判断して、一旦は収めた。
込み上げる笑いをどうにか噛み潰し、陸は華夜子の白い太腿の内側に口付けを落とした。