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第59章 蕩ける夜

「夏休みも実家に帰ってたから、もしかしたらどこかで擦れ違ってたかもな」
「…うん」
「楽しかった？」
「うん、凄く。また行きたいなって思った」
「なら、いつかふたりで行く？」
「え？」
「いつかふたりで旅行に行けたらいいなって、華夜言ってたじゃん。今度、一緒にいこうよ。俺、案内するよ」
うん－華夜子が嬉しさに笑うのを見計らったかのように、陸は腰を進めた。
「あっ…！」
華夜子の悲鳴が漏れ、陸は眉を顰（しか）める。
しかし。
敢えて何も言わず、もう一度、彼女の中に屹立したものを沈める。
「…っ！」
華夜子の痛みに耐える声に、陸はもういいのではと思えてくる。
こんなに辛い思いをさせてまでするものなのか。