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第59章 蕩ける夜

「華夜。俺の事…好き？」
そんな事、確かめてから、始めたはずだった。
でも、最後にもう一度、聞きたかった。
もう一度でいいから、言って欲しかった。
胸を高鳴らせながら、彼女の横顔を見詰める。
「好き－」
不意に。
彼女がこちらを向いた。
「私。陸が大好き」
照れ臭そうに。
でも、確かに。
真っ直ぐに陸を射抜き、華夜子は微笑んだ。
その笑みに惹かれ、陸は華夜子を抱き締めた。
柔らかで温かな彼女の身体に触れながら、陸はその幸福に酔い痴れる。