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第59章 蕩ける夜

「…いい」
華夜子は呟いた。
「すごく、いい…きもちい…りく」
潤んだ瞳で自分を見詰めながら。
恥らいの中で答える彼女の姿は－もう、最高に愛おしかった。
「華夜。大好きだよ－」
陸は切ない気持ちを流し込むように、華夜子の唇に深く、キスをした。
最初は綺麗だなって。
素直にそう、思った。
それから逢う度、信じられない事に、惹かれ始めてる自分がいた。
まるで相手にされていないのは、知ってた。
左手の薬指に残る指輪の跡も－程なく気付いた。
それはそうだ。
こんなに美人で。
こんなに聡明で。