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蕩けるようなキスをして
第59章 蕩ける夜
好きなひととの初めては幸せなんだと思ってた。
色々な心配や怖さは確かにあったけれど、嬉しくて、心満たされる行為に違いない-全て想像でしかないけれど、思ってた。
だけど実際は。
彼に触れられる度、自分の意思とはまるで無関係に反応する身体。
およそ自分が発しているとは到底思えぬ、淫らな声。
枯れない泉のように濡れ続ける、淫らなそこ。
そんな自分を、次第にはしたなく感じ始め。
素の自分を全部曝け出す事への羞恥と恐れが、いつしか生まれてしまっていた。
「やっぱり…電気を全部消して欲しい」
華夜子の切実な願いに、陸は微かに笑い、再度頬に触れた。
「俺は今夜一度だって、華夜をおかしいとか変だとか、そういう目で見ていない。それどころか、すげー綺麗だなって、ずっと見惚れてた。華夜が暗い方がいいと言うのなら、勿論そうする。…だけど、そうなったら、そんな綺麗な華夜を見れなくなってしまうから、それは少し残念かな」
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