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第59章 蕩ける夜

「私。陸がいいの－」
それが合図のように。
陸は華夜子を掻き抱き、荒々しくその唇を奪った。
もう、誰にも止められない。
待ち望んだふたりだけの夜が、ようやく始まった－。
繰り返される口付けの間（あいだ）。
愛を確かめ合う。
華夜－陸は熱を帯びた声で、最愛のひとを求める。
「華夜…好き？俺を、好き？」
「…うん」
「うんだけじゃ分かんねーよ」
「…すき」
「好きだけじゃ分かんねーよ」
自分の気持ちをなかなか察してくれない彼女に、陸は軽い苛立ちを覚えてしまう。
混じり合う唾液の音をさせながら、彼女の口内を蹂躙（じゅうりん）する。