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蕩けるようなキスをして
第58章 真相
でも。
でも。
でも、やっぱり。
そんな風にしてしまうのは-違う。
間違ってる。
そんなのを-自分は喜べない。
一番大切なものは、どうあっても失くしてはいけない。
どうかまだ持っていて欲しい-祈るような気持ちで、腕に抱く彼女の頬に触れる。
視線の合った華夜子は、陸に微かに笑ってみせる。
「陸のせいじゃない。陸は関係ない。陸は切っ掛けを作ってくれた。私が自分の心に区切りをつけたかった。吹っ切りたかった。一歩踏み出す勇気を、陸は与えてくれた」
「けど…!」
「楽しく幸せな思い出は、永遠に心の中にある。決して色褪せない。…指輪も。例え私の側を離れたとしても、それは変わらない。貰った事実は揺るがない。貰った瞬間の嬉しかった気持ちは、ずっと忘れない。それが形あるものとして手元にあるかどうかは、大した問題じゃない。なくしても、形が変わっても、私の中にある。私の心の中では絶対に、なくなったりはしない」
でも。
でも、やっぱり。
そんな風にしてしまうのは-違う。
間違ってる。
そんなのを-自分は喜べない。
一番大切なものは、どうあっても失くしてはいけない。
どうかまだ持っていて欲しい-祈るような気持ちで、腕に抱く彼女の頬に触れる。
視線の合った華夜子は、陸に微かに笑ってみせる。
「陸のせいじゃない。陸は関係ない。陸は切っ掛けを作ってくれた。私が自分の心に区切りをつけたかった。吹っ切りたかった。一歩踏み出す勇気を、陸は与えてくれた」
「けど…!」
「楽しく幸せな思い出は、永遠に心の中にある。決して色褪せない。…指輪も。例え私の側を離れたとしても、それは変わらない。貰った事実は揺るがない。貰った瞬間の嬉しかった気持ちは、ずっと忘れない。それが形あるものとして手元にあるかどうかは、大した問題じゃない。なくしても、形が変わっても、私の中にある。私の心の中では絶対に、なくなったりはしない」

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