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第58章 真相

それだけだった。
なのに。
処分？
処分って？
捨てる？
あんなにも大切だったものを？
形見じゃないの？
それを、処分って？
自分の－せい？
信じられないものを見るような目で、陸は華夜子を見た。
慌てる陸の姿に－自分の選択は間違っていなかったと、華夜子は確信する。
どこまでも優しい彼は、あくまでもいつも、自分を心配する。
散々妬いてしまうと言っておきながら、それでもこういう結末は決して望んでいない。
自分が好きになったひとは。
自分がまた大好きになれたこのひとは。