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第58章 真相

「そこに、自分の意志はないの？華夜はどうしたかったか…ないの？」
聞いた側から、虚しさが、襲う。
こんな気持ち、自分だけなのかな。
こんな張り裂けそうな想い、自分だけなのかな。
たった数日振りだったけど。
自分にとっては何カ月も逢っていなかったようで。
切なさに身を焦がし。
冗談なんかじゃなく眠れぬ夜を過ごした。
暇さえあればスマホをチェックし。
五分おきに彼女からラインが届いてないか、確認した－くるはずなんか、ないのに。
来てくれる確率なんて無に等しいのに、それでも待たずにはいられない－狂おしいまでの恋情なんて。
自分だけかな。
好きな事に変わりはないけれど。
自分の好きと彼女の好きの大きさは、違うのかもしれない。
ふたりの間には実は、見えない隔たりがあるのかもしれない。