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蕩けるようなキスをして
第57章 クリスマス・イヴ
どうでもいい。
大事ではない。
まるで物か何かの如く。
我慢はしてるけど、そろそろ限界だった。
イルミネーション煌めくこの場所を歩いてる女の子達はみんな、自分とは大きく異なり、幸せそうだった。
実際、幸福の絶頂に違いなかった。
それに引き替え、自分ときたら-延々同じ事を説教され、強引に腕は引っ張られ。
その周囲とあまりにもかけ離れた、惨めな自分の姿に-涙が零れそうになる。
自分で蒔いた種だという事は、百も承知。
泣く資格なんかない事も、十分よく分かってる。
でも。
でも-…。
「ほぼ初対面の男の股間を蹴り上げる気の強さを、なんでこーいう時に遺憾なく発揮しないんだよ」
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