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第53章 留以

生きて。
すぐ、隣りに。
いつだって。
いるのに。
それなのに未だに、忘れらないのなら。
それなのに未だに、その指輪を嵌めるのなら。
それ以外は、受け取れないと言うのなら。
「…やっぱ俺じゃ無理って事だよな」
ぽつり。
陸の漏らした呟きに、留以は瞳孔を開く。
「そういう、意味だよな」
やるせない想いが駆け巡ったその時。
「それは違うよ、櫻葉君」
強く、留以が否定してきた。
「…気休めはいいよ、ルイさん」